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作業手順書の作成要領


 ■作業手順書の作成要領−1

  作業手順書とは...
個々の作業を 1.安全に、2.確実に、そして 3.能率よく行うために最も合理的な流れと方法を書面にしたものです。つまり、作業のムリ、ムダ、ムラを除き、工事の品質を高め、安全に作業するための”取り決め”ともいうべきもので、トラブルが発生した場合には、その工程の「作業手順書」の有無、内容、作業員の理解度が追求されます。
 作業手順書の項目はどのようにすればいいか...
 1. 作業順序 最も合理的、安全な作業の順序。
 2. 要  点 仕事がしやすく、安全が確保された作業のやり方のコツや要領。
 3. 危険予知 作業の急所の中で、どんな危険があるかを前もって出しておく。
 4. 安全対策 出てきた危険項目への対応策を立てる。
 作成は誰が適当か...
日々の作業を単位とするものだけに、作業を指揮する立場にある職長クラスが中心になります。但し、職長だけがその内容を把握していても意味をなさず、関係作業員全員がよく理解し、その通り、実行できることが重要です。
 
 関係者への周知徹底
無知による事故、勝手な判断による災害を防ぐ意味で、非常に重要なことです。
 作業標準書と作業手順書
「作業標準」の方はJIS Z 8141で「製品または、部品の各製造工程を対象に、作業条件、作業方法、管理方法、使用材料、使用設備、作業要領に関する基準を規定したものである」と定義されているようですが、我々実務者レベルでは同じものと考えても支障ないと思います。
作業手順書は手順を基本に書きますが、標準書では構成部品も記載されているようです。

        

■作業手順書の作成要領−2

 1.作業条件をつかむ
 ◇どんな作業なのか、作業内容をよく知る。
 ◇作業は、どこから始まり、どこで終わらせるかを明確にする。
 ◇その作業にはどんな機械・器具や設備が必要か把握する。
 ◇機械操作や作業について、資格のある作業者が必要なのか把握する。
2. 作業順序を組み立てる
 ◇単一作業ごとに仕事の順序を並べていく。(準備作業、本作業、後片付け作業)
 3.急所(ポイント)を記入する
◇それぞれの作業段階で
 a.災害事例、ヒヤリハットなどの経験から、どんな危険が考えられるか、
   安全対策にはどんなものがあるか
 b.仕事がし易いか、また、無理をせずに実行できるか。
 c.仕上がりがうまくいくが。
 d.仕事をダメにしないか。
 等の作業の急所(ポイント、コツ)を記入しておく。
 4.全員参加で見直しをする
◇でき上がったものをもとに
 a.具体的、実際的か
 b.順序はよいか
 c.ムリ、ムダ、ムラがないか
 d.わかり易いか
 e.動作に間違いはないか
 f.安全か
 g.もっと良い方法はないか
 等、みんなの意見を聞き、必要な手直しを行い、充実させて完成させる。
 5.作業標準の実行
◇完成したものを実際の作業で実行していき、必要に応じてさらによいものへと
  改良していく。


 ■よい作業手順書の作り方・活かし方の着眼点

1 危険度と作業頻度の高い作業を優先して、作業手順書を作成する。
2 職場のみんなの意見を反映した作業手順書作りに努める。
3 作業の実態に合った、作業がしやすい内容にする。
4 ムダ・ムラ・ムリがなく、安全とともに生産・品質にも役立つ内容にする。
5 作業ごとに1枚の作業手順書にまとめ、見やすい様式にする。
6 手順は作業の種類に応じた粗さに分解して、名詞と動詞で表現する。
7 急所は大切なものを絞り込んで、副詞的に表現する。
8 できるだけ数値を入れ簡潔で、具体的にわかりやすく表現する。また、必要な部分は図を活用する。
9 作業手順書を分類整理して、取り出しやすいように仕分けて保管する。
10 いろいろな作業の種類に応じて効果的に活用する。
11 事故や災害が発生したときや、設備や作業方法が変更したときに見直す。
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◆災害が起こった後

 ◇作業手順書を定めていなかった。
 ◇定めていたが形式的なものであった。
 ◇定めていた作業手順書を守らなかった。
   などと、いったことがよく指摘されます。
 安全で効率的な作業ができる「作業手順書」の作成を心掛けてください。

 
とはいっても、実際作るとなると、それぞれ本来の仕事を持っていますし大変です。まして、白紙の状態からではなおさらです。作成するにはプロの手助けを借りなくてはなりません。
 そこで、サンプルの事例があれば、それに手を加えて自分の環境にあったように修正することで比較的簡単です。当サイトでは、そのような方のために事例を用意しました。これを活用して役に立つ作業手順書を作り上げてください。ただし、それを本当に自分たちのもの、つまり魂を入れなければ、何の意味もありませんし、安全を守れるものではありません。
講習会講師


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